ライオンの咆哮のとどろく夜の炉辺で
本書の物語は、今なお世界から半ば隔絶された、中央アフリカでもっとも奥深い土地、南スーダン/ディンカからもたらされた昔話。しかし、人間の生の普遍の真実を言い当てていてことさらな注釈は無用だろう。
本書より一文
いうまでもなく、これらの物語が話された村を取り巻くあの自然の環境と雰囲気があってこそ、聞く者の記憶にしっかりと刻み込まれるのだ。だから、あなたが、暗い夜に、家の庭の真ん中で木々の枝をくばたたき火を囲んで座り、あるいは土壁に草屋根をふいた小屋の中で眠る、そんな家族の子供だったら、とおもって見てほしい。
著者紹介
アコル,ジェイコブ・J.
1940年代のいつか、南スーダンのディンカで生まれ、そこで初等、ならびに初期中等教育を受けた。コンゴ、タンザニア、ザンビア、アイルランド、英国の難民キャンプで散発的に中等教育、および専門教育を受けた後、ラジオ・ジャーナリストとしての経験を積み、やがてリーズ大学でコミュニケーション技術・マスコミの修士号を取った。1980~90年代は、ジャーナリスト兼援助団体職員としてアフリカ大陸の各地を縦横に隈なく動き回って、慢性的な戦争や疫病、飢饉が生み出す惨禍を報道した
書評
キャンプに行く時に持参したい本。夜テントの中で周りが寝静まった時、この本を取り出してみる。カエルやコウロギが歌う声を聞きながら。さらに想像を膨らませて、ヒョウがヒヒに脅しの声を立てながら喉を食いちぎる音がし、その回りに群がるハイエナが人の笑い声のような音をかき鳴らす音が聞こえる、暗闇に自分が居るようなイメージで。ジェネシス(人と万物の始原)の匂いに満ちた、普段感じ得ない感覚を覚えると思います。
ディンカの人々は、これらの物語の悪夢が自分に降り掛るのを防ぐために、物語を聞いたといいます。

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