ケニア!彼らはなぜ速いのか
東京からアテネまでの夏季五輪陸上競技で54個のメダルを獲得した秘密を追い、ケニア、グラスゴー、コペンハーゲン、ロンドンをたどる。
本書より一文
食べ物の86%は野菜。栄養素は炭水化物が76.5%、脂肪が13.4%、タンパク質は10.1%という割合だった。食べものに含まれていた水分は1日平均1113mlだった。その他に飲んだ紅茶は同じく1234ml。かなりの量だ。練習前や練習中に水や紅茶を飲んでいる選手はいなかった。
摂取エネルギーは2987キロカロリーで消費が摂取より多い「ネガティブエナジーバランス」になっていた。摂取カロリーと水分摂取量はACSM(アメリアスポーツ医学会)が選手のために公開しているガイドラインに満たなかった。
書評
ケニアが陸上大国になった経緯が面白い。ケニアの牧畜の民の間では家畜は貨幣の役割をする。近隣の村といっても100km離れた村から家畜の略奪を成功した男が讃えられ、そして家畜を蓄えていく。密かに盗み、そして素早く逃げる。追いつかれたら殺されてしまう。100km走り続けることは普通の行為だった。
20世紀初頭、英国がケニアを支配し、家畜の略奪を禁止したが、略奪が止まらない。なぜなのか。略奪は男の名誉と力を誇示するための行為であることに気づく。そこで、その男の欲求を満たす場として、英国式のスポーツ、陸上競技、特に長距離走を推奨した、という歴史がある。
こういう歴史を知ってると、ケニアの陸上選手が映った時、男の名誉の為に走っていると思うと俄然応援したくなるものだ。
本書の内容は、殆どがスポーツ医学系の話で専門書の内容だが、解りやすく会話形式で書かれているので読みやすい。

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