奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅

昭和30年代、日本住宅公団の時代。こういう田園都市的なイメージを持った公団住宅がなぜ生まれ得たのか?単に近代的な団地をつくるということだけではない、何らかの思いがあったのではないだろうか。この点がまさに本書全体で問いたいテーマである。

本書より一文

阿佐ヶ谷住宅に感じられるのは、この時代に生まれたものが共通して持つ特有の明るさだ。未来への希望が満ちていた時代。社会をこう変えたいという理想が生きていた時代。そういう時代の空気が、阿佐ヶ谷住宅には感じられるのだ。
だが、未来への希望や理想なら、他の公団住宅の方がもっと感じられるという意見もあるだろう。未来への希望や理想の明るさだけで阿佐ヶ谷住宅の魅力を説明できるという訳ではない。もっと別の何かがある。

目次

阿佐ヶ谷住宅と建築家たち
阿佐ヶ谷住宅設計の舞台裏
住まわれた阿佐ヶ谷住宅
阿佐ヶ谷住宅のテラスハウス

書評

あふれる緑と、住棟間を縫うように設けられた歩きやすい小道。。
東京には「田園都市線」という電車があるが、この阿佐ヶ谷住宅にこそ田園都市の風景がある。冒頭の写真、数ページを見ると「住宅が主役」ではなく、あくまでも自然との調和を第一に考えれた住環境が確認出来る。23区の高層マンションとは対極の世界観です。年月がたてばたつほど、英国の田園都市の姿に近づいているのではないか。是非ともグーグルマップで「杉並区成田東4-3-1」で検索し、航空写真やストリートビューで表示いただきたい。
当時は、今で言う「億ション」の値段が付き、その殆どが法人が買い占めていたらしい。個人所有の人は、官僚や医者、芸能人だったという。年月がたち、建物が古くなったが、街並はさらに魅力が増したようだ。テラスハウスには、阿佐ヶ谷住宅の建築協定がありリフォームも出来るらしい。
もし売りに出るのであれば、新築マンションよりも遥かに魅力的だと思うのだが、住民は建築的価値や魅力を感じながら長く住み継いでいる人が多いという。



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