ハチはなぜ大量死したのか
2007年、北半球に生息するミツバチの4分の1が消えました。ある朝養蜂家が巣箱をあけると、そこにいるはずの働きバチがいないのです。働きバチは二度と帰ってくることなく、そのコロニーは全滅します。謎のその病気は蜂群崩壊症候群(CCD)と名付けられます。その原因追究から「生態系の平衡の歪(ゆが)み」というより大きな枠組みに読者をつれさる知的興奮の科学書です。福岡伸一さんの解説が付きます。
画像
本書より一文
ここ2、3年、何かがおかしいという感覚をどうしてもぬぐいさることが出来なかった。それが何かはわからなかった。養蜂家に多くの災いをなす寄生虫のミツバチヘギイタダニでもないし、ハチノムクゲケシキスイでも、それ以外の害虫でもない。このような害虫のせいなら、兆候を見ればわかる。問題は他のもの、もっと目立たないものだった。もし人生のほとんどを通してミツバチを見つめてきたのでなかったら、こんな懸念は打ち捨てていただろう。けれども、彼は蜂を知り抜いていた。蜂たちの行動の何かがおかしい。ひどく神経質になっている。
書評
みなさんの朝食を思い出してください。コーヒーに、ブルーベリーやチェリー、キュウリ、トマト、メロン、リンゴ、アップルジュース、ハーブティー。。これらの「果実」はみな、ミツバチの受粉により生まれたもの。
ミツバチの受粉作業は、人間、いや動物にとってなくてはならない。ミツバチは「地球の景観設計者」と呼ばれるのも理解できる。人間の「侍女」だった蜂が、今その侍の役目を終えようとしているのか!?スリリングです。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジェイコブセン,ローワン
食物、環境、そして両者のつながりについて『アート・オブ・イーティング』誌、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ワイルド・アース』誌、『ワンダータイム』誌、『カルチャー&トラベル』誌、『NPR.org』ウエブサイトなどに記事を書いてきた。現在、バーモント州の田園地帯に妻と息子とともに暮らしている
中里 京子
1955年、東京生まれ。早稲田大学卒。実務翻訳の世界ではよく名を知られており、国際医学会A‐PART(the international Association of Private Assisted Reproductive Technology clinics and laboratories)の事務局を担当している
福岡 伸一
分子生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。青山学院大学理工学部教授。研究テーマは、狂牛病感染機構、細胞膜タンパク質解析など。著書に『生物と無生物のあいだ』(サントリー学芸賞受賞)『プリオン説はほんとうか?』(講談社出版文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

“ハチはなぜ大量死したのか” へのご感想・ご意見