死を忘れた日本人
がんの放射線治療の第一人者、東大病院放射線科准教授の中川恵一医師の新書。 本書より一文 アメリカ人の代表的な死因は「がん」と「心臓病」です。彼らの多くは日本人とは逆に「がんで死にたい」と言います。緩和ケアが進んでいるアメリカでは、かんの痛みに苦しむことなく、残された時間を「人生の総仕上げ」に費やします。同時に、彼らには「死に支え」となるキリスト教という宗教があります。死に対する恐怖も、日本人ほど強くはないと思われます。<途中略>日本人こそが、「死を受け入れられない現代」のフロントランナーとなってしまったのです。 目次 「死に支え」がない国、日本 私たちのカラダは星のかけら──宇宙の誕生と死 絶対時間と私の時間──「永遠」と「一瞬の人生」 進化の中で、「死」が生まれた──もともと、寿命などなかった 大脳が宗教を生んだ──死を飼い慣らすために 死のプロセス──多細胞生物の死 死の決定をめぐって 「がんによる死」の正体──がんの進化論 人はどのようにがんで亡くなっていくか 宗教なき時代の死の受容──何を怖がっているのか 書評 中川恵一医師は、日本のガン放射線治療と緩和ケアの第一人者、と言われています。がん治療において、欧米では約75%の方が放射線治療を選択しますが、日本では約25%と言われています。放射線治療に対し日本人が持つ誤解を解くべく活動されています。 そんな中川医師の新書は、テクノロジー論から離れ、死生観についての書。といっても思想家による思想論ではなく医師ならではの数字や論理で裏付けされた表現となっています。また、「私たちの体は遺伝子が作った乗り物」「ワインに例えれば私たちの体は137億年もの」など、解りやすくポイントを挙げ私たちの体について、寿命について解説しています。 日本の高度先進医療として認可されている最先端技術を駆使した放射線治療の世界の医師が、「死に支え」の必要性について訴えている良書です。













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